エミリー・ウングワレー展(続き)


画像はカタログです。

さて、肝心のエミリー・ウングワレー展ですが、圧倒されました。私は彼女に対して全く予備知識がなかったのですが、見始めてすぐに「この絵はよいものだ」という印象を持ちました。

展示は点描の作品からはじまり、キャンバスが非常に大きいものもあります。具体的なものが描かれていることは少なく、ほとんどが、無数の点がキャンバスで面になり、うねりのように感じられる作品でした。色合いは非常に明るいものもあり、しばらくしてから、点描という手法、キャンバスの大きさや圧倒される感じなど、手法としては草間弥生の作品と共通する部分が多いなあ、と気づいたのですが、なんせ作品から感じる雰囲気が全く異なっています。

それが何によるものなんだろうなあと思ってようやく壁の掲示を読んでみましたら(私は美術館ではあまり掲示を読まないのです(^^))、彼女はアボリジニの画家で、なんと80歳近くになってから絵を描き始め、亡くなるまでの8年間しか絵をかいていなかったということでした。知っている中では伊藤若冲も絵を描いたのは晩年からだったということですが、80歳を超えてからあの絵を描く、という事実が驚きでした。美術館の白い空間の中にいると大きさの感覚がすこしマヒしてくるのですが、作品が非常に大きいのです。(続く)