余白に語ってもらおう。

 「デザインをする」というと、一体どんなことを思い浮かべるでしょう?


 かっこいいロゴを作る、写真を配置して、メインキャッチを目立つ位置に置こう。本文も読みやすいように大きくして、キャプションも読んで欲しいから文字数を減らしたくない…。


 気がつくと、満員電車のようにすべての要素が押し合いへし合いして、どの要素も身動きが取れなくなっていることはありませんか? 逆に、もらったチラシが情報の詰め込まれたもので、結局何を言いたいのかわからなかったようなことはないでしょうか?


 要素が詰め込まれすぎてしまった状態は、全員が大声でしゃべりあっている居酒屋に例えられるかもしれません。隣の声が大きいから、こちらも声を張り上げないと聞こえない…、そんな繰り返しをしていて、最後には全員が叫びだしてしまうかも!


 かっこいいロゴ、素敵なキャッチ、これ以上ない瞬間をとらえた写真。そうした大切な要素が生き生きと動き出すためには、それぞれが力を発揮するための、スペースが必要なことがあるようです。


 キャッチを、余白をもったスペースの中に配置してみる。するとその言葉に、それだけのスペースを取る必要のある、大切なものであるという印象が生まれます。そしてキャッチが本来が持っていた響きで語り始めることができるのです。デザインの中で、余白もある種の語りを担っているのだ、と言えるかもしれません。


 余白が語り始めた瞬間、あなたのメッセージはそのままで、強い存在感をもって相手に伝わっていくことができるのです。 




Question :
大声では伝わらない気持ちって、なんでしょう?