欧文印刷さんのニス印刷セミナーに行って来ました。


5月28日(金)に行われた、欧文印刷さんによるニス印刷セミナーに行って来ました。
(デザ現のブログにて告知を知りました。デザ現ブログさんありがとうございます。)


私は今まで雑誌のお仕事が多かったため、ニス引きというとほとんどのケースが雑誌の表1/表4に使うというものという印象です。


また、使用する際は、ほぼ版元さんのほうでイメージが決まっていて、デザイン側としてそれを後追いで承認するという消極的な関わり方が多かったような。この辺はコストの関係もあったり、あとニスやPP(PP張りというのは紙にビニールを張る加工です。角背のファッション誌などはPP張り加工の本が多いと思います。)などそれぞれの特徴を私がしっかり把握していなかったりすることもあって、あまり口を出すのもな…という気弱な部分がありました。そういうこともあり、ぜひニスに関する知識を深めたいと思って今回参加させて頂きました。


以下当日知ることのできた知識をいくつか。


・光沢といえば昔はPP張りだったが、現在UVニスであればPP張りに匹敵する光沢を出せる(実際に輝度を計る機械で目の前で計っていただきました)。


ちなみにニスとPPではコスト的には、ロットが大きくなればなるほどニスの方が格安とのこと。これは、PP張りは工程的に専門の工場でやることが多く、運搬コストが掛かるから、と。ニスなら印刷の際に一緒に掛けれる。


・パールニスというものがある。掛けると全体がパール系(虹色がかった)の光沢に。また、印刷前にパールニスを掛けてパール紙に印刷したような効果を出すこともできる。


・ニスであればPPではできないスポット的な掛け方ができる。スクリーン版的な使い方がイメージしやすいけれど、PS版を使って150線くらいまでの表現もできるとのこと。


・パッケージなどに使われるニスにはそれぞれに「滑り角」というものが設定されている。滑り角とは何°まで傾けると滑り出すかという角度。製品ごとに異なって調整されているとのこと、へーへーへー!


・「ウルシ印刷」という技術。下の写真でツルツルのところとそうじゃない部分がわかりますでしょうか? 

ツルツルのところはUVニス、そうじゃないところはUVニスの前にOPニスというのを掛けておくとUVニスが盛り上がってザラザラのテクスチャになるのだそうです。


などなど基本から専門的なことまでお話を聞くことができました。欧文印刷さんありがとうございます!


最近はデザインのひきだし(編集の方がいらしてました!)といういい本などもあり、さまざまな印刷技術を手軽に知ることができる環境が出来てきてありがたい時代ですが、やはり現場でわからないことが直接聞けるというのは面白いです。よいセミナーをありがとうございました。


ニスセミナーは7月にもあるようですが、HPを見ると定員まで行っているとのことでもう閉め切られています。
欧文印刷株式会社
http://www.obun.co.jp/


追記
当日のセミナーではこちらの本が紹介されていました。この本にもニスについて様々な記述があるとのことでした。私はまだ未読なので、チェックしてみたいと思います。

「本」に恋して

「本」に恋して